びーかん日記
尾行と監視され日記、略して「びーかん日記」である。これは、公然たるコーアンとその手先のイジメと弾圧の記録だ。花、鳥、蝶も少々。
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20120312びーかん日記未掲載分no11
*この本には、須賀敦子のひそかに注目していたキリスト教異端カタリ派や、テレサが後年執着した「黒」、とそれにまつわる黒いマリアの裏のキリスト教、キリスト教の象徴主義などが全部出てくる。
そして、これらは、さんぺぐじゅぺりや、しもーぬ・べいゆ、アンデルセンにもつながっているのである。アンデルセンの先には、ジャンヌ・ダルクさえいる!
テレサ・テンの、黒い透かしのチューリップと紅白2対のバラがフリーメーソンの象徴と酷似していることは、かつて触れた。
チューリップはソロモンの神殿の2本の立柱の暗喩である。こんな巨大なチューリップなどあるものか。
高額な舞台衣装の製作を請け負った某ブランドがフリーメーソンだったのか、テレサがそうだったのか、両方ともそうだったのか分からない。
言っておくが、フリーメイソンはれっきとした慈善団体である。各国に支部があり、国による特徴もある。大部の写真つき本格解説本も存在する。
●20110401キリストの妻とシンボル
*隠された裏のキリスト教。テンプル騎士団、フリーメーソン。
「マグダラのマリアと聖杯」マーガレット・スターバード、英知出版、渋谷区神宮前5-38-4、03-6419-2750営業、2005年07/01出版、1429円*1.05.、
*この本の最大の欠点は、肝心な点について「信じている」「確信している」という思い込みの感情で論理を組み立てていることである。たとえば、マグナダのマリアがたとえキリストの妻であったとしても、彼女がエジプトに逃れたという決定的証拠はないし、ましてフランスの地中海沿岸に逃れたのだ、という証拠もない。
また、黒いマリアがエジプトで日光に当たって黒くなったのだ、と片付けてしまっているのは、もはや論理的とはいえない。白人ならば、太陽光線に当たっても赤く腫れ上がるのがおちで、黒くなることはない。
もともと人種的に黒かったというたしか研究本もあったような気がする。
で、このような推論に推論を重ねた上、ついにイエスの血統という貴族にまで、屋上屋を積む。
しかし、流離譚は世界にあまねく存在する、ファンタジーで、何もマリアに限ったことではない。
なにより、致命的なのは、目指しているのが王子や王・貴族という上流階級への思慕でヒエラルヒー社会を公然と賛美し受け入れていること、また世俗的な夫婦平等幸福論に落ち着かせるという結論をまずもって先に設定してしまっていることだ。
階級社会に染まった大衆が、その階級的思想を反復して暮らすことが正しいとでも言うのだろうか。
道徳は支配と階級の出現から生まれた。結婚もそうである。結婚は、そもそも婚資という資産の移動から始まったのである。それは、初めから物欲と階級にまみれていた。
王がなんだというんだ。大衆からの略奪で成り立つ搾取者ではないか。もともと。彼の豪奢は泥棒から成り立っているのである。税金とはそのようなものだ。
かれの財産やそれに拠って立つ振る舞いや教養は、支配している者からの収奪で保障されているのを、忘れるな。
1、
「女性原理を奉じる宗派は12世紀の南プロバンスで栄えた。同時期にユダヤ教のカバラ主義者がヤハウェの失われた配偶者「まとろにっと」をユダヤ教の伝承に復権させようとしていたことからも、女性原理の復活が重要いや不可欠だと考えられていたことが分かる」。
2、
「問題のこぷと語の文書は、紀元400年ごろ正統キリスト教会(皇帝ておどしうす1世によってローマ帝国の国教と宣言された)が異端と判断した宗派を迫害し、その文書を破壊し始めた時期に、「なぐ・はまでぃ」に隠された。
巻物は、ユダヤ砂漠のくむらん近郊にある死海洞窟群で発見された文書つまり死海文書が入っていたのと同様の壷に保管されていた」。
「ユダヤ人の反乱66-74年に対するローマ軍の破壊行為はイスラエルの国を事実上滅ぼし、エルサレムのキリスト教徒共同体を壊滅させたが、くむらん教団の死海文書はこれを免れた。同様に、なぐ・はまでぃ写本も初期教会による粛清を生き延びた」。
3、
死海文書の多くを著した砂漠の教団くむらん教団は、早くからエルサレム神殿の祭司たちや神殿での礼拝は、トーラーモーゼ5書や予言者の教えに対して不誠実で欺瞞的だと考えていた。
<神殿の祭儀が異教と結合され、神殿自体が不浄な存在に成り下がったと主張した。>
初期キリスト教活動の主体であったくむらん教団と、ぜろで党の反乱の最後の砦だったまさだとの結びつきを裏付ける史料は、十分そろっている。
くむらん教団は、徹底的な反ローマ、反体制の思想を掲げる終末論者で、メシアを信奉し、イスラエルの王位にダビデ王家の血筋が返り咲くことを待ち望んでいた。
くむらん共同体は、ローマ人と協力関係にあった人々と距離を置いた。2000年近くものあいだ、壷の中に隠されていた信条や教義には、新約聖書に採録された文書が語る過激な二元論や終末論に相通ずるものもあった。
くむらんと同じ写本が、まさだの要塞でも見つかった。
くむらんの信徒なら、まちがいなくキリストの狼藉、過ぎ越しの祭りで神殿で両替人の台をひっくり返した過激な行動にも拍手喝さいを送っただろう。
4、
「ユダヤ人の王、ナザレのイエス」は、略して「INRI」と十字架に掲げられた札にある。
イエスの故郷とされるガラリヤは期限世紀にはゼロデ党と反ローマ運動の温床であったと考えられる。
5、
「メロヴィング朝のメロヴィングという言葉は、簡単にmerとvinに分けられ、つまりマリアとヴァインぶどうの木、に分解できる。
メロヴィング朝のクローヴィス王の紋章は、「ふら・だ・り(いちはつ)」であった。中東諸国に自生するいちはつの花のラテン名は、グラジオラス、つまり「小さい剣」である。
フランス王家の紋章である3弁の「ふら・だ・り」は男性の象徴だ。
実はこの絵柄は、神とイスラエル、そしてダビデの家との間に結ばれたあらゆる契約に内在する「割礼」の誓約を図案化したものなのである。
トーマス・インマンは、19世紀に書かれた書物「古代異教と現代キリスト教のシンボリズム」の中で「光の花」の男性的な性質を詳細に論じている。
この男性の象徴「小さい剣」が国際的にボーイスカウトの紋章になっている。
「このシンボルはまた、三位一体の神を表している。それは、三つのものが一つにまとまっている形に基づく。
(脱線するが一般に)、3弁の「ユリ」は古来からイスラエルの象徴であった。ソロモンの宮殿の男根をかたどって作られた「やきん」と「ぼあず」という2本の青銅の柱の柱頭には「ユリの花の形」が彫られていた。(列王記7:22)
聖パトリック(ぱとりきうす)のあの有名なシャムロック(こめつぶつめくさ)は、三位一体の神の正統なシンボルかもしれないが、ふら・だ・りはイスラエルのダビデ王家の血筋を具体的に示唆しており、だからこそメロヴィング王家が紋章として使ったものと私は考える。
5、
「1099年のエルサレムの征服に伴い、十字軍の指導者たちは聖墳墓教会に総大司教をおいた。十字軍の典礼式文を見ると、奇妙なことに聖処女マリアの祝日は黒い式服で記念することになっていたことが分かる。
この黒い式服の使用は、雅歌に準拠していると言われているが、これは聖処女マリアを記念する祝日の典礼には必ず白い式服を着るという、教会の一般的な慣習から著しく逸脱した行為である。
黒いマリアは、雅歌の黒い花嫁の姿を、詩的な形で模倣しているのだろう。
古代世界の「妹=花嫁」のイメージは、油を注がれた者イエス・キリストの妻を容易に連想させる。大地、月、愛の女神(イシス、えふぇそのアルテミスなど)をかたどった作品は伝統的に黒いのが特徴である。
ダビデ王家の男性の象徴は花か芽をつけた杖であるが、女性の象徴はカリス(杯か器)だ。それが、ホーリー・グレイル(聖杯)だった。
6、
本書で検証しているもうひとつのキリスト教伝承は、公認の教会では教えられていないが、正統版より真実に近いかもしれない。
初期のキリスト教宗派の多くはもう残っていない。
イエスの弟ヤコブが初代指導者となったエルサレム教会は、ユダヤ教の教えを重視し、イエスを神と同一視しなかった。
エルサレムのキリスト教徒共同体は、神殿とユダヤ教のトーラーに固執した。
ヤコブとペテロは、パウロの説く教義に困惑を隠せなかった。証拠は使徒言行録にも見出される。
初期教会は、数々のキリスト論を展開し、宗派間の激しい争いは何世紀も続いた。
紀元66-74年のユダヤ人反乱を受けて、エルサレムのキリスト教徒共同体が解散に追い込まれてからは、唯一の正統な信仰と言えるような権威あるキリスト教教義は存在しなくなってしまった。
結局、一部の宗派はキリスト教世界から追放され、残りは妥協してとどまった。
ヤコブとペトロの率いる初期教徒共同体に近い立場を受け継いだ「えびおん派」は、ナザレのイエスの神性を否定したという理由で、後に異端の烙印を押された」。
教会の最初の4世紀は、混乱と迫害、非正統説の解釈で明け暮れた。
にけあ宗教会議紀元325年は、イエスが神の御ひとり子、光から生まれた光、真の神から生まれた真の神、父なる神とともにある者」であると宣言した。こえが、教会での正統的信条となり、逸脱は一切許されなくなかった。
この信条を掲げた伝道師たちは、ヨーロッパの辺鄙な地域に住む未開の部族たちの改宗に着手した。
そして、紀元380年、キリスト教がローマ帝国の国教として布告された。ておどしうす皇帝。
7、
4世紀から10世紀、ヨーロッパにはフランク族、西ゴート族、ケルト族、フン族、古代スカンジナビア人という蛮族が襲来した。
西ヨーロッパの蛮族の大半は、当初異端アリウス派に改宗した。
この派は、4世紀に活躍したアレクサンドリア出身の聖職者アリウスが体系化した一派。
この派は、三位一体とイエスの神格化を否定し、神と人間のイエスは異なると説いた。この教義は5,6世紀に受け入れられた。
8、
ヨーロッパの暗黒時代が明けたのは、なにも15世紀のルネサンスではなくて、もっと早く、12世紀の南フランスでのいくつかの出来事によっている。
それは、プロバンスの文化の発展である。十字軍の遠征以前から、ここでは科学や哲学に寛容で、イスラムやユダヤの宗教、美術、文学へ興味を示した。
最大の変化は、女性に対する評価の見直しと高まりだ。
それまで、創世記に記されたように、女性は男に劣り、隔離し悪魔的存在とみなされた。二元論から女性は諸悪の根源のごとく扱われた。
この女性蔑視論は、聖あうぐすてぃぬすの見解から来ており、それは異端のマニ教(紀元277年に没したマニを開祖とする)の思想を反映している。
あうぐすてぅぬすは、もともとマニ教の信者であり、人間は肉体という牢獄に清き魂を閉じ込めた半神半人であったという思想、つまり二元論世界観と女性不信の影を引きずりながら、カトリックの教義を説いた。
9、
プロバンスは、十字軍以前にも数百年にもわたって、スペインや北アフリカを支配するムーア人やユダヤ人の学術中心地と進歩的な関係を維持していた。
プロバンスの大部分は、めろヴぃんぐ家出身のユダヤ人王子「ぎょーむ・ど・じぇろーん」が統治していた8世紀のユダヤ人公国「せぷてぃマニア」の領地だった。
そして、この地は、マグダラのマリア崇拝の中心地であり、マリアは地域の庭園やブドウ畑の守護聖人、豊穣と美と人生の喜びの仲介者である。
薔薇(エロスerosのアナグラムrose)崇拝が盛んなのも偶然ではない。
10、
初期十字軍の時代に、絶大な実力を誇った騎士修道会テンプル騎士団は、エルサレム奪還後に1110年代に設立、教王と王侯の恩寵をほしいままにした。
1310年に異端の烙印を押され廃絶された。
テンプル騎士団のメンバーの多くは、プロバンス地方の貴族出身で、ローマの公認教義とは距離をおいてきた。
テンプル騎士団は、イエスの妻帯、旧約聖書の救い主の約束がイエスの跡継ぎによって成就されると信じていた。
このプロバンス地方は、12世紀のあいだ、もうひとつの福音、ありうす派やカタリ派m、うぉるどー派という異端の全盛だった。
11、
カタリ派の「純潔の人びと」と言われる巡回伝道師の説教に、素朴な農夫たちは影響を受けた。
人生を質素と謙虚の精神によって生きることを勧めた。くれだんと(プロバンス方言で信者)として知られるカタリ派。
この派は、正統のキリスト教の教義より古く純正なもので、イエスと使徒たちの教えに近いと信じていた。
彼らは、菜食主義であり、平和主義者、初期教会のカリスマ的キリスト教に近い形態を実践していた。(使徒言行録)
古く純粋なルーツは、異端審問の検閲をかいくぐって残った数少ない記録が、証明している。そこには、黎明期の原始キリスト教の活気が反映されている。
具体的に、1世紀のキリスト教の慣習である。そこには、終末的二元論によって、霊的生活を重視し肉体的な婚姻には関心を払わなかった。なぜなら、時代が終わりを告げようとしているのに結婚など意味がないと思ったからだ。
だから、正式な結婚式を拒んだかもしれないが、結婚や受胎を非難して家族制度を揺るがせようとした、という異端審問の嫌疑は、誇張されたものである。
この貴族リストが残っている。
12、
かたり派は、女性を平等に扱った。
カタリ派は、清貧で簡素な生活、貧しい者たちと食べ物を分かちあった。
聖ドミニコとアッシジの聖フランシスコは、このカタリ派の伝道に感銘を受け、托鉢修道会を設立し、貧困のなかで慈善を行いながら生きる誓いを立てた。
そして、その方言で識字教育を始めた。
1209年、バチカンは南フランス全域に対し聖戦を始めた。フランス国王と教皇の軍隊は、約30年間南フランスを蹂躙した。
カタリ派の神学校のあったもんせぎゅーるの虐殺で、勝利を決定的にした。
1244年、もんせぎゅーのカタリ派の居留地は打ち破られ、200人を超える人々が火あぶりになった。これは、あるびじょあ十字軍と呼ばれた。
1233年に正式に組織化された異端審問所は、何千もの人々を処刑した。
ぷらばんす全体が、ローマ・カトリック教会の覇権に抵抗していたから、kじょれは行われた。
マグダラのマリアの伝承や地名、貴族の秘められた血統、が、公認された教会に幻滅を抱いていた。からくも生き延びた南フランスの貴族一門の娘たちは、北部の家系と強制的に結婚させられた。
13、
12世紀、13世紀の吟遊詩人は、崇拝する貴婦人を「どんぷな」と呼んでいた。
ラテン語でドミナ(ドミヌス神の女性形)のランドック方言。
詩人たちは実はかたり派で、貴婦人はこの宗派の教えそのもの、「アモール愛の教会」を意味していた。
どに・ど・るーじゅもんの著作。ぺいーる・ヴぃだるという吟遊詩人。
14、
テンプル騎士団は、数学と工学の知識でゴシック様式の建築を誕生させた。
1130年から1250年という短い年月の間に、瞬く間にヨーロッパ中に広まった。あたかもそう決められていたかのように。
ゴシック大聖堂を建造したギルドや石工の技術の発展は、テンプル騎士団と強く結合していたと思われる。
騎士団は、聖堂の計画と資金の提供を担当し、それを受けてギルドは結成され、設計を具体化した。
石工は、自らの信仰する教義をそこに組み込んだ。(これへん。騎士団が指揮者ならそっちの思想だろう。むしろ、石工は騎士団と一体の宗教共同体とみるべき)。
最も重要な教義は、男女のエネルギーの調和という普遍原理だった。
石工たちは、自分たちを「ソロモンの子たち」と呼んでいた。これは、ユダヤ教を奉じるエルサレム神殿を最初に建てたダビデ王の息子を示唆している。
また、別の意味もある。「ソロモンは知恵を花嫁にしたい」と伝えられている。(知恵の書8:2)
ゴシック建築の手の込んだ名人芸のコピーは、異端審問所のあるびじょあ十字軍の撲滅作戦の後も、どんどん作られていったが、神の息吹は1250年以後姿を消した。(神の息吹の意味不明)。
なぜなら、この年は、カタリ派の要塞の壊滅した年である。
これ以降、異端弾圧によって、かつて盛んだった医学、錬金術、天文学、神秘主義、心理学などの学問はオカルトと断じられ、地下に潜った。
15、
2本の柱とフリーメーソン。
ソロモン神殿を建てた棟梁は、ひらむ。「やもめの子」だった。
神殿の2本の青銅の柱は、右を「やきん」確立されたという意味。左は「ぼあず」力という意味。ヘブライ語は右から読み、この確立された力、という意味になる。
これが2柱の象徴性である。そして、イエス未亡人とダビデ王の血筋を示すブドウの木の議論に重要な意味を持ってくる。
このモチーフは、異端の透かし模様にも使用されている。
ギリシャ語の新約聖書には、イエスを「てくとん」と呼んでいる。これは、ギリシャ語では大工ではなく、建築技師のこと。
16、
中世の聖母を祀る大聖堂の建築ラッシュは、13世紀のスペインでユダヤの神秘主義者がヤハウェの連れ合い「しぇきな」(しかいな)「まとろにっと」を復活させようとした、試みと同じだ。
この夫婦の別離は、エルサレムの神殿が破壊されてのこと。だから、上記の運動は、「天に行われるごとく、地にもおこなわれんことを」という深遠な原理を適用したものだ。
17、
ユダヤ教の伝承。
王はその連れ合いなしに無能である。これは、聖杯伝説と重なる意味がある。
ぺるすヴぁるの伝説(ヴぉるふらむ・ふぉん・えっちぇんばっは著)の漁夫王あんどるたすの正体は、ダビデ家出身の魚の王イエスのことである。
聖杯は、失われ勘当された?花嫁を指している。
18、
●隠された聖杯教会のシンボル。
ハロルド・ベイリー著「象徴主義の失われた言葉」1912年。
哲学や神話学の知識を駆使し、プロヴァンスで興った初期の製紙業者が考案した模様ウォーター・マークのシンボルや図案の説明を試みる上下2巻の本。
異端あるび派も象徴的な文様を入れた用紙を製造し、大衆文学を印刷する際に使用していた。
1、一角獣。原型的な花婿キリストを意味する。
2、獅子。神秘主義と異端信奉者は、これは「ユダの獅子」と理解していた。
獅子は、創世記に登場する。ユダは獅子の子。創世記49:8-10.
歴代誌。
黙示録には、不滅の神の右手に座った子羊こそ「ユダ族から出た獅子」だと書かれている。イエスのことである。
3、ざくろ。ぶどう。
肉体の繁殖の象徴。
旧約聖書、イスラエルの民をさす比喩。イザヤ書5:7.
「イスラエルの家は万軍の主のぶどう畑、主が楽しんで植えられたのはユダの人々」。
4、
「ふら・だ・り」(いちはつ)。ししの頭から覗かせている。
3弁の花は、正当なフランス王家の血筋を示すシンボル。
だから、獅子はイスラエルを、ふらだりは、フランスを、両家の血筋を示唆している可能性が高い。
5、器。ベイリー。聖杯。
ブドウやふらだりの蕾を覗かせている。MMの文字が入っているのは、マリア・まぐだれな、か、マリア・まいおーる(偉大なるマリア)。
MRは、マリア・れじな。女王マリア。
このシンボルは、イスラエルとユダ族の血筋を存続させる器を示している。
ICの2文字は、イエス・キリスト(iesu christ)。
6、熊。眠っていた熊が目覚めて戻って来る。民間伝承のめろヴぃんぐ家と結び付けられている。
7、光の十字。「lux」の文字。6光芒の十字の図像。
ラテン語の光を意味するルクスLuxをギリシャ文字で綴れば、^vxとなり、Xに置き換えれる。
Xは霊的な啓示を受けた者たちのひたいに付けるべき印がXだった。(えぜきえる書9:4)
くむらん教団では、秘儀伝授者に授けられる印。
この慣習は、キリスト教にも取り入れられた。
7、ラッパや角笛。
「ろーらんの歌」。フランスの英雄。岩をひと吹きで打ち砕く。
また伝承では、砂漠に花を咲かせる力がある。
8、ロレーヌの十字架。
めろヴぃんぐ朝の子孫は、イエスまでたどれる血筋という意味で、「ぶどうの木」と呼んでいた。
はぷすぶるぐ家はロレーヌ家と婚姻によって同盟を結んだ。
ロレーヌ家は、1099年にサラセン人を打ち破って一時期エルサレムを統治した。
異端派は、千年王国の希望を失わなかった。
ロレーヌの十字架には、横木が1本多い。上の短い横木は、「INRI=ナザレのイエス、ユダヤ人の王」を書いた巻物をあらわす。マルコ福音書19:19.
このロレーヌの十字架は、何世紀にもわたってフランスで自由を要求するスローガンとして使用されている。
第2次世界大戦中、レジスタンスが破壊活動の同胞を招集するのに使っていた。
このシンボルは、図案が解体され、フリーメーソンの会員証の、横に二つのXXが並ぶシンボルとなった。これは、異端的聖杯信仰とフリーメーソンとのつながりを示すものである。
9,剣と杯。
「avm」を組み合わせた図像文字合体「^v」は「アヴェ・みれにうむ」千年王国に幸いあれ」「ミクニが来たらんことを」だろう。
内側にあるmはマリアを示す。正統派はアヴェマリア処女マリアだと捉えたが、だが、この合体文字は^とvが調和し結合したときにしか先年王国の約束が成就されないことを示唆している。
^は原始的な男性の象徴であり、剣を表す。vは相対する存在、女性の原始的象徴である。
フリーメーソンの紋章のvのさかさまvとの合体、つまりコンパスと直角定規の紋章も、上記の男女シンボルの合体を再現したものである。
^とvが組み合わされてmができる。mからはふらだり、が顔を出した形でよく登場する。複数のmがあしらわれて塔と城がこれまた登場する。
これは、マグダルのm、つまり娘シオンの塔、あるいは砦を示唆しているのかもしれない。(ミカ書4:8-9)
またmがもった王冠の図柄には、よく見ると「ジェスgesu」フランス語のgと、角笛が描かれている。フリーメーソンのコンパス直角定規の紋章にも中央にgの文字がある。ジェスはイエスのことである。
ただ、今ではgはgeometory幾何学を示していると考えられている。
別の図案には、イエスキリストのICとともに、LUXの十字と王家の血筋を表すふらだりが描かれている。
mはラテン語でまーれmare海の波、マグダラのマリア、ヘブライ語のミリアム(マリア)は塩の海、あるいは海の夫人という意味。波の意味は、姿が溶けてなくなること。
mmまぐだらのマリアは、波を形づくると同様に、みずがめ座と結びついているのではないか。この星座は、形の溶解を象徴していると考えられている。
19、
異端派とユダヤ教の相違は、中世の前者がイザヤが予言した「正しい支配者」はダビデとイエスの家系から出現すると信じていた点だ。彼らは、「マリアのぶどうの木」つまりめろヴぃんぐ家から出るだろうと思っていた。
20、
錬金術の正体とは、化学と冶金学を応用して鉛を金に変えることではなく、これは隠れ蓑に考案されたものだ。
ゴシック聖堂の窓に使われた色ガラスは、十字軍に間に合うように中東で生まれ、一部の錬金術では金属の融合によって得られる色に言及している。これが、ガラス製造の説明であったとしても不思議ではない。
錬金術師の本当の意図は、「生まれたままの」霊的な啓蒙された存在に人間がなる、という「変容」に関することである。霊的存在は金と呼ばれていたのである。
人間も、金が火の中で試されるように、人生の試練のなかで浄化され、その導き手は、聖書と秘教的儀式であった。この啓示を媒介するのが、精霊である。
秘儀は、愛と啓示こそが完成された状態に導くと説いたために、異端と判断された。だから、錬金術師は冶金学のシンボルの中にその教義を隠した。
ソロモンの神殿を建てたやもめの子てぃるすの王ひらむは、金属を扱う職人だった。古代では、金属と合金の性質の知識は、王家秘伝の特権で、富と力の代名詞だったのである。
21、
中世の錬金術師とフリーメーソンの結びつきを示す手がかりは、「ひらむ」という名前。
「x」つまり「四辻」の守護神であったギリシャ神話の「ヘルメス」(ローマではめるくりうす)、エジプトではととに相当)と、ひらむとは、同一の語源をもつ。
この両局性の神?は、足に翼をつけ、かどぅけうす(使者の杖、神々の使者の象徴)を持った姿で描かれ、頻繁に姿を変える。
「へるめす」は「トリックスター」であり、ジョーカーである。
なぜなら、「意味のある偶然の一致」が一瞬のうちに啓示をもたらす「共時性」の原則を支配しているからである。
ヘルメスは精神と物質の橋渡しの役割をしているようにみえる。
錬金術師は、この原則(共時性?)を「変容の媒体」と理解し、ヘルメスを啓示をもたらす者として崇拝していた。
薔薇十字団の始祖伝説には、アレキサンドリアの錬金術師の物語も入っている。三本の槍。この教えに従う入信者は、一般的にヘルメス主義者として知られる。
22、タロットカード。
タロットカードの起源は、インドともエジプトとも言われるが確定していない。
1392年にすでにタロットカードが存在していた。
15世紀の画家アンドレア・マンテーニャによって作られたのが、最古のカードと考えられている。
14枚の数字カードを4組つまり56枚、そして22枚の絵札からなるタロットカードは、確かに異端の聖杯信仰に共通するシンボルが使われている。
特に、シャルル6世の委嘱で作られた「ぐらんごぬーる」のカードは。
カトリック教会は、このカードを異端的として糾弾した。
6世版のカードの絵札は、中世異端的聖杯信仰のフラッシュカード式、教義問答書を構成していたと考える。
このうち6枚は失われている、というより抹殺されたのだろう。
聖杯信仰は南フランスに端を発しヨーロッパ全土の宮廷から宮廷へ広まった。プロバンスでは、聖杯とカタリ派のふたつが共存していた。
1244年のかたり派の壊滅後、異端信仰は地下にもぐり、一部は表向き体制の教会教義を実践するようになった。
「ぶどうの木」の異端信仰は根絶やしにされたかに見えたが、1307年になっても、テンプル騎士団の秘儀の中に脈々と息づいていた。
●タロットカードの様式。
4種類の項目スート・カード(小アルカナ)は、剣、杯、5芒星(金貨)、王笏(杖)。
大アカルナと呼ばれる絵札トランプによって構成されている。
トランプに残った唯一のタロットのカードは、「愚者」。コリント人への手紙。「わたしたちは、キリストのために愚かな者となって、、、」。
シンボリズムから考えて、タロットの出自は異端あるびじょあ派の聖杯信仰に違いない。
吟遊詩人とともに移動していたジプシーや芸人一座は、一行に加わりオカルトの教義を教えていた同派の説教しからカードのことを知ったと考えられる。
だから、5月にさんと・まいー・ど・ら・メールの通りに集まっている。
*古フランス語で「とろんぷ」はラッパを意味する。紙の透かし模様にも登場するあのラッパだ。
原初のタロットカードの絵札の一部こそが、隠された聖杯教会の教義を歴史を説明していた。
絵札の隠された異端の教義のシンボリズムが残っているのは、シャルル6世版を初めとする初期のものだけだ。
23、タロットの絵柄の意味。
●「愚者」秘儀を授かるには、正しい質問をしなければならない。愚者は「探求者」の意味である。
●「ジョーカー」彼は秘密を知っている。ヘルメス主義の伝承を説く教師である。
●「皇帝」
●「教皇」。異端教会の地位と身分の女性は、イエスの子孫と言われていた。「ぶどうの木」イザヤ書7:5.
シオンという秘密結社。このトップは、総長と(くそ!こんな訳があるか)呼ばれ、女性の場合は「ジャンヌ!」男性はジャンと呼ばれた。
(ジャンヌ・ダルク!!)
隠された「愛(あもーる)の教会」は、ローマ教会と対立していた。
教王は赤い法衣を着た2人の枢機卿にはさまれ、鍵を持っている。この鍵は「王国の鍵」を連想させる。
●「恋人たち」。上に描かれた2人のキューピットは腹に「x」を形づくっている。中央の女性は、mの文字をした髪飾りをつけている。
●「隠者」。これは隠者ピエールだ。この男が、11世紀末に十字軍の意義を説いた。大きな岩はこの解釈を裏付けている。ピエールという名前は、ピエールつまりペトロ、岩を意味している。
●「力」。徳を示す抽象概念は女性名詞で表現され、ここでは、折れた柱を女性が抱えている。
柱の柱頭は「ゆりの花の形」のソロモンの宮殿の左の柱を象徴している。旧約聖書では、ぼあず力という名前の柱は、ユダヤの獅子ろダビデ王家の継承者に結び付けられている。
ダビデ王の曽祖父がぼあず、だった。
ユダ族の血統は、ぼあず、おべど、えっさい、ダビデ、ソロモン。その千年後がイエス。ほんまかいな。
だから、シャルル版の意図は、血脈が断たれたことを意味する。
女性がつけている衣類は、2頭の獅子の形。女性の傍らには3頭目の獅子がいる。
●「戦車」。シャルル版は、男は戦車を操っていない。エルサレムから持ち帰られた「戦利品」に、cicの三つのイニシャルがあり、男はiの上に足を乗せている。この「i」は、イエスだ。
フリーメーソンの儀礼では、「短期逗留者たち」がエルサレムから秘密の分文書を発掘したことを示唆している。
●「運命の輪」。シャルル版にはすでにない。
これは、テンプル騎士修道会の運命の変化を指している。
あヴぃにょんの崩壊、10月13日の金曜日にテンプル騎士団の逮捕という勅令が発布された。
●「正義」女性の徳。正義の秤と両刃の剣を持っている。
●「吊るされた男」。拷問を受けるテンプル騎士団か。もっとも不可解な絵。
足は文学美術では昔から生殖器の隠喩。同時に不具になった聖杯王アンフォルタ巣を巧妙に示唆している。
握られた金袋は神殿の伝説的な宝物を象徴する。異端審問の拷問にも騎士団の指導者は秘宝のありかを白状しなかった。それは、金でできたものではなかったかもしれない。心の中のイエスの血筋のことかもしれない。
●「死」。馬にまたがった死神に踏みつけられているのは、教王、赤い法衣の枢機卿。騎士団の首領ジャック・ど・モレーは、火あぶりになる前に予言していた。そして、1年もしないうちにそのとおりになった。
●「賢明」。器から器への水の移動。徳を表す女性。これは、息たえんとする教義を安全のために別の器に移した、という意味。水は、霊と真実「ただひとつの真実の信仰」を象徴している。
●「悪魔」。鬼で、これは中世の「あばずれ者」。異端審問所を視覚化したもの。しかし、奴隷になっているのは異端はではなく、正統派の信徒のほうだ。
●「塔」。後世の一部の版では、「神の家」。破壊される塔が描かれる。流浪の娘シオンの「砦」・マグダル・エデルを思い出させる。
●「星」。抹殺されたカード。また、後世の一部では、「二つの花瓶を地面にあける姿」。先例の「賢明」と対、霊と真実が将来復活するという希望をあらわす。
「星」は占星術の水瓶座、来るべき時代を指しているのかも。
●「月」。オカルトでも女神信仰でも重要なシンボル。コンパスと直角定規のふたり。あべ・みれにあむの表意文字。
星や宇宙の吉兆と適合されるための教会大聖堂の天球図を構築しているのかも。占星術とは、人の作ったものを天空の惑星や星座の規則正しい動きに、つまり宇宙の秩序と調和させる試み。これは、古代の知恵学派によって実践された神聖幾何学の役割、この秘儀的学問は異端審問によって地下にもぐった。
●「太陽」。日光にたたずむ乙女。髪はゆわえず、垂らして、継続の象徴の「糸」を手に。この乙女は、毒の仕込まれた糸車で指を刺した、呪いの眠りに落ちた「いばら姫」である。
「星」「月」と合わせて、教義と真実を運ぶ二つの流れが出来ていたが、月は、秘儀を闇にまぎれて教義を運ぶ。もうひとつの民間伝承は、白日の下に、秘密を運ぶ。
だから、この「太陽」は、これらの情報から真実を探すよう、探索者に促している。
当時、母親は子供に対し検閲を受けることなく、「失われた王女の物語」をすることが可能だった。<隠さないでおおぴらにしておくことこそ、何より安全な隠し方でもある>という場合もある、ということ。
●「審判の日」。天使ふたりのラッパ。起き上がる墓から出る人々。これは最後の審判ではない。
眠りについている者、起きよ、(えふぇそ人への手紙)。これは「新しい日」の先触れなのだ。
●世界」。球に乗った女性。王冠、宝珠、王笏。完全性をあらわす神秘的な円に囲まれた地球。
23、
タロットの項目スーは、
スペードは「男が持つ剣」。
ハートは、本来「杯」。これは聖杯と「愛あもーるの教会」を象徴。
ダイヤは、五芒星を意味する「ぺんたくる」という名前。愛の女神ビーナスにとてっても神聖なシンボル。ビーナスの名を冠した惑星金星の軌道が、8年おきに太陽に対し完全な「五芒星」を形づくる。5つの峰は、天然の神殿を表しているのではないか。
クラブは、「花を咲かせた棒か杖」。あるいは笏か。いざや書、「えっさいの株からひとつの芽が萌え出る」。メシアにまつわる約束。
四海文書の戦争の巻物「笏」はだびで家出身のメシアを指す。
今日のトランプの「三叉の棍棒」はイスラエル王の血筋と神からさずかった施政権、を示唆。
4つの項目スート、意図的な明確な異端の聖杯のシンボルだった。
*日々心の糧としていた神の言葉に直接触れられるようにと、日常語に翻訳するこのに情熱を注いだ。ヘブライ語もギリシャ語にも造詣が深かった。あるびじょあ派。
この情熱こそ、あるびじょあ派が西洋文明に残してくれた最も重要な贈り物。福音の広まることで、自由・正義・平等の種を蒔いた。これが18世紀の民主化へのうねりにつながった。
24、
[もう一つの教会(非正統的教会)」の2大教義は、ダビデ王家の復権と、神との調和に生きる世界、つまり千年王国の約束であった。
精霊による啓示と個人の変容を説いていたのである。
異端宗派は教義を信じていただけでなく、一人の人間として神と触れ合う生活を送っていた。
多くの芸術家や秘教信奉者は異端宗派と手を組み、教会に対抗した。この同盟関係の中で誰もが同じ秘密を共有することになった。
女性を否定し抑圧したために社会からはエクスタシーや自由が奪われ、その結果捩れや歪みが生じたことを人々は理解したのである。
国境をも越えたネットワークで互いに結びついた文化人たちが力をひとつに合わせ、忘れ去られた「女性」を蘇生させようと試みた」。
25、ぼっちちぇりの絵画。
ぼっちちぇりは、1483年ごろには正統派絵画と違った不可解な作風に変化した。
最近、1483年から1510年に亡くなるまで「シオン修道会」の総長を務めていたのではないか、との説が浮上した。
ぼっちちぇりの絵画には、こあのヘルメス的秘教のシンボル「x」がたびたび登場する。「書物の聖母」ドレスの胸の上の「身ごろ」に赤いx。幼子キリストは3本の小さな黄金の槍。これは、十字架で打ち込まれる釘を暗示しているのではないか。
中世の錬金術師や薔薇十字団のモチーフ、啓示の3本の光線を示したものか。
「ざくろの聖母」。左端の天使が両肩から赤いリボンをたすきのように斜めにかけている。これもx。そして、この天使だけが、鑑賞者の方に視線を向けている。その意味を胸の赤い十字を注意を喚起するかのように。
「まにふぃかとの聖母」のざくろ。ざくろは、物理的性的な繁殖力を示している。これは、イエスの身体的繁殖力を意味した可能性が高い。
「十字架の下のマリア・まぐだれな」。狐を逆さづりにする天使、と十字架を抱くマリア。
ぐのーしす主義では、狐は信仰を強める方便の嘘を象徴している。
赤いxの盾をもって天使が空から舞い降りる。
狐が正統派のイエスが独身であったと言って、血筋の正当性を否定して、「ぶどう畑」を荒らしている。雅歌2:15」。
26、「フラ・あんじぇりこの絵画」。
フィレンツェ、ごみにこ修道会。聖母子像。マリアは「赤と白」の2本の薔薇を持っている。赤と白は「妹=花嫁」の色。赤は情熱、白は清らかさ。
錬金術師では、赤と白は相反する要素の結合、の象徴だった。
1466年、ピエロ・でら・フランチェスカ。マグダラのマリア。赤のマントが裏返され、白の裏地を肩に羽織られている。これは、娼婦説の否定であり、清らかさを象徴している。
異端審問は赤い衣装のマドンナに狼狽した。美術検閲官は1649年、処女マリア像をすべて「青と白」で統一するように勅令を出した。
結婚や性的側面を否定するためである。赤は、マグダラのマリアを意味していたから。赤い服の女は、売春婦の代名詞となった。
27、
「トリコロール」の起源。
有史以前、ヨーロッパ・アフリカ・中東という地中海沿岸では古代宗教の女神には、乙女(妹)、花嫁(配偶者、子供の母)、老女(醜い老婆、鬼婆)、これに対応する色は、白-赤-紺か黒。
中世の紋章学、母方の紋章は楯の左側に、父方の家系の紋章は右側に描かれた。
戦場の指揮官を識別するために、彩色した盾を使用する。サラセン人で普及していた風習を十字軍が真似した。
女性は左、男性は右というこの紋章学の概念は、心理学にも取り入れられ、左脳ベースの右利きは男性的理性的、右脳ベースの左利きは女性的、芸術的直感的。頭と心の二元論は、政治でも右の保守、左のリベラル。
28、
●「乳房を両手でつかんだ(あすたるてのポーズ)マグダラのマリアは、中東の太陽神の連れ合いの豊穣の女神のとっているポーズ。
●「左手に黒い手袋をはいたマグダラのマリア。これは母系の血統と、その息子たちが「煤のように黒くなり、街で彼らと気づく者もないほどになってしまった「やもめのシオン」を示唆している。「哀歌4:8」。
●「しゅろ」パームには掌の意味もある。
イスラエルとダビデ王家を表す重要なシンボル。
ロバに乗ったイエスが、エルサレムに入場する際、人々が棕櫚の葉を敷き詰めて歓迎した、聖書の記述に由来する。
棕櫚はギリシャ語で、「フェニックス」(滅亡からの復活人)。棕櫚鳥は復活の象徴。
●「彫刻の魚」。
占星術による「魚座」。中世のヘルメス主義者や錬金術師は、イエスを黄道12宮の「魚座」の時代の王、魚の印を戴く者、と考えていた。
「改悛するまぐだらのマリア」。どの作品にも、白のブラウスと赤いスカート。妹=花嫁、の赤と白を象徴している。
マリアは、椅子に座り、さまざまな品、頭蓋骨、ろうそく、鏡、大粒の真珠、を眺めている。その絵でもみごもの姿。
●「薔薇」。
バラのしるしの下、とは内密に行われる物事(性交)を指す。しかし、秘儀伝授者にとっては、バラこそ秘密そのもの。それは、エロス愛の神、結婚を象徴するマリアの赤い薔薇だった。
エロスはバラのアナグラム(入れ替え?)。
薔薇十字は、真の啓発を示す赤い「x」ルクス、つまり「光」の象徴だった。
29、
一角獣のタペストリー。
一角獣は、花婿=王の男らしさのシンボル。受胎能力と性能力。どんぐりや松かさは男らしさの視覚化である。
「葉、花、果実を同時につけたオレンジの木は、両性の婚姻による結合を意味している。花嫁がつける花は、伝統的にオレンジの花であった。
30、「シンデレラ」。
煤だらけの女中シンデレラは、黒いマドンナ(聖母)のイメージを継承している。兄弟でぶどう園で働いて日焼けしたソロモン王の浅黒い花嫁を彷彿とさせる。雅歌1:6.
フランスの一部の家系がイエスとまぐだらのマリアの血筋であることを、異端の聖杯信仰が暗示している。
12ー13世紀の吟遊詩人の歓喜の歌は、おくしたにあやプロバンス地方のもともとあった女性崇拝から派生した可能性が高い。
12世紀、十字軍が帰還し、異端信仰が急激に高まった。その結果、ローマ教会は、全力をあげて聖母(our lady)すなわちドミナがイエスの母マリアと同一人物であるという認識を確立しようと試みた。
30、「サラ」。
まぐだらのマリアの身内とともに、エジプトから船に乗った黒い肌の少女サラ。
31、
黒い聖母像は、異端審問所の支配権が確立する前から祀られていたと考えられる。
32、おとぎ話「らぷんつぇる」。
豊かな長い髪と美しい歌声。「花嫁の声」えれみや書33:11」。
イエスの足を自分の髪で拭き、ヘブライ語で塔を意味する「まぐだら」のマリアの伝承。
聖ばるばら、はシリアの異教徒の娘として生まれた。処女殉教者。改宗しようとした娘を父親が塔に幽閉した。三つ編みにした髪を伝って教義を伝えようとした司祭が塔の中に入った。
「ばるばら」は、外国人を意味し、バーバリアン異邦人、バーバーはあごひげがるbeardedという意味。
ばーばりあん、は古代ギリシャ時代には「ギリシャ語を話さない人」を意味した。
だから、シンデレラは「ばるばれら」と呼ばれ、名も知れない亡命中の王女だったのである。しかも当人がそう言っている。
「私は遠い国から来た王女なの。ここの人は誰も私のことを知らないわ」。
雅歌8:10.
「妹=花嫁」「わたしは城壁、私の乳房はふたつの塔」。
自分を「城壁に囲まれた町シオン」に喩えている。
黒い花嫁、そして塔と長い髪の伝承は、聖ばるばらの物語より以前に存在した。この女性は、亡命した娘シオン、マリアなのだろう。
聖ばるばらは、要塞の守護聖人である。バルバラを守護聖人とする職業は、建築家、石工、そして軍事技術者、砲兵、中世では要塞や城壁に囲まれた城を築き、防衛する人々が含まれる。
テンプル騎士団は、戦士兼建築者の騎士修道会である。今でも12月4日には聖バルバラを記念して、米軍陸軍工兵隊は世界中でダンスパーティーをしている。
だから、聖バルバラとまぐだらのマリアは関係があると言える。
33、
ケルト民族の古代伝説、「だぐだの大釜」。
この器は、女性の象徴。
古代フランスの伝説「さんぐらある」は、ウェールズの吟遊詩人の伝承である「ぶらんの大釜」(祝福されたぶらんの大釜で死んだ人間を煮ると、生き返らせることができる)と、すぐ混同された。
タロットカードは、あるびじょあ派の教義問答書から秘教的シンボリズムの貯蔵所に変わっていった。
34、
吟遊詩人や学者が刹那主義の「きょうを楽しめ」という「エロス性愛と婚姻」のメッセージを各地に運び、そこから女性崇拝や平等友愛の精神という種子を蒔いた。
これが教会の専制の呪縛を打破する後の宗教改革を誘発した。(そこまで言うか?)
それは、プロテスタントがキリスト教の禁欲主義を否定した。
また、ユダヤ教の聖典の伝える「小さきもの」に伝統的に気を配ってきた左翼への理解の中にも息づいている。正統派教会は、女性崇拝を捻じ曲げ、処女マリア崇拝に取り替えてしまった。だから、花嫁に対する扱いは無効化された。
ヒエラルヒーが唯一受け入れることができる、キリストの花嫁は、教会の小宇宙、個人の霊魂だけだった。
だから、中世後期の神秘主義者たちは、その教義の中に、情熱的言葉遣いや、婚姻の比喩的表現の「園」を取り入れた。
35、
「西欧社会に破滅的影響を与えたのは、男性のみによって構成される三位一体、△の頂点に父なる神がいるとする不均衡な基本制度だった」。
女性が男性より劣った存在とみなされるので、欲求不満に陥った男性は虚脱状態に襲われる。
「いつも輝いている太陽の下には、砂漠がある」ゴスペル「it takes a little rain」。
世界最古の曼荼羅は、男性の「つるぎ」と女性の「杯」に基づく概念である。(ほんとかよ)
36、
時代の星座は、魚座から水瓶座に移ろうとしている。
水瓶座のシンボルは、2本の平行した波線「~」である。
これは、形あるものの溶解を意味する。名前のイメージとは違って、水を象徴しているわけではない。占星術師は水瓶座を「空相宮」という。
37、
イエスは「げっせまね」の園で捕らえられ、アントニオ要塞に連行されて拷問を受け、茨の冠をかぶせられた。
イエスが鞭打たれたとされる大広間の敷石には、聖婚の図案とともに、その上で翼を広げて静止する<鳩の姿>が彫りこまれている。
(なんで鳩か、はっきりしろ!)
古代、女神あふろてぃて、ビーナス、イシス、ソフィアにとって鳩は神聖な生き物。福音書には、イエスがヨハネからヨルダン川で洗礼を受けていると、天がイエスに向かって開き、鳩がイエスの上に舞い降りて来た。
福音書の意味は、イエスが聖なるソフィアの生まれ変わり、もしくは「その子」を示唆する意図があったのではないか。
38、
1世紀、ローマ帝国の知恵学派の秘儀伝授者が、プラトン的概念、古代神話の「死と再生の神」がキリスト教に継承されている。
つまりロゴスの受肉、「神の子誕生」のキリスト教の教義である。
初期キリスト教の信徒は、イエスを「義の太陽」「この世の光」と記している。
イエスを「くりすとすchristos」メシア=油を注がれた者、「きゅりおすkyrios」主と名づけ、新しき台頭してきた魚座と、奇跡のユダヤ人の教えとを結びつけることに成功した。
これは、ユダヤとギリシャの融合である。
その原因として、イスラエルのある地域が、アレクサンダー大王によって300年間ギリシャの支配下にあり、属領となっていたからである。
ユダヤ人の思考や文化がまったく影響を受けないと考えることは不合理だろう。
イスラエルのへふふつぃばーにある6世紀のユダヤ教礼拝堂しなごーぐには、「べいと・アルファ・しなごーぐ」には、床に黄道12宮図のモザイクがある。中性ヨーロッパ美術で盛んに使われたシンボルである。
39、
まぐだらのマリアを描いた絵画では、ほとんど彼女の髪は波のような平行に並ぶ波のような形で背中に落ちている
不思議なことに、シャルトル大聖堂のまぐだらのマリアのステンドグラスは、「水の運び手」を名乗る人々によって寄贈されている。そして、このグラスがあるのは、黒いマドンナの礼拝堂である。
この「水の運び手」water carriers、水がめ座という意味もある。
黙示録によれば、小羊の結婚によて、砂漠にもようやく水が出るようになった。
シャルトル大聖堂には、見事な薔薇窓があり、そのひとつには聖母のひざに乗った幼子イエスが祖先たちに囲まれている。ダビデの正統な後継ぎであるイエスを強調しているのである。
40、
プロバンスの透かし模様に登場する人魚は手鏡を手にしている。なぜ手鏡か。
それは、霊性の片割れであり、女性に具現化された物質的宇宙つまり「鏡に映った神性像」だというのである。
海が空を映すように、月が太陽を映すように。
愛の女神が鏡と結びつけられている。
そして、これらは、さんぺぐじゅぺりや、しもーぬ・べいゆ、アンデルセンにもつながっているのである。アンデルセンの先には、ジャンヌ・ダルクさえいる!
テレサ・テンの、黒い透かしのチューリップと紅白2対のバラがフリーメーソンの象徴と酷似していることは、かつて触れた。
チューリップはソロモンの神殿の2本の立柱の暗喩である。こんな巨大なチューリップなどあるものか。
高額な舞台衣装の製作を請け負った某ブランドがフリーメーソンだったのか、テレサがそうだったのか、両方ともそうだったのか分からない。
言っておくが、フリーメイソンはれっきとした慈善団体である。各国に支部があり、国による特徴もある。大部の写真つき本格解説本も存在する。
●20110401キリストの妻とシンボル
*隠された裏のキリスト教。テンプル騎士団、フリーメーソン。
「マグダラのマリアと聖杯」マーガレット・スターバード、英知出版、渋谷区神宮前5-38-4、03-6419-2750営業、2005年07/01出版、1429円*1.05.、
*この本の最大の欠点は、肝心な点について「信じている」「確信している」という思い込みの感情で論理を組み立てていることである。たとえば、マグナダのマリアがたとえキリストの妻であったとしても、彼女がエジプトに逃れたという決定的証拠はないし、ましてフランスの地中海沿岸に逃れたのだ、という証拠もない。
また、黒いマリアがエジプトで日光に当たって黒くなったのだ、と片付けてしまっているのは、もはや論理的とはいえない。白人ならば、太陽光線に当たっても赤く腫れ上がるのがおちで、黒くなることはない。
もともと人種的に黒かったというたしか研究本もあったような気がする。
で、このような推論に推論を重ねた上、ついにイエスの血統という貴族にまで、屋上屋を積む。
しかし、流離譚は世界にあまねく存在する、ファンタジーで、何もマリアに限ったことではない。
なにより、致命的なのは、目指しているのが王子や王・貴族という上流階級への思慕でヒエラルヒー社会を公然と賛美し受け入れていること、また世俗的な夫婦平等幸福論に落ち着かせるという結論をまずもって先に設定してしまっていることだ。
階級社会に染まった大衆が、その階級的思想を反復して暮らすことが正しいとでも言うのだろうか。
道徳は支配と階級の出現から生まれた。結婚もそうである。結婚は、そもそも婚資という資産の移動から始まったのである。それは、初めから物欲と階級にまみれていた。
王がなんだというんだ。大衆からの略奪で成り立つ搾取者ではないか。もともと。彼の豪奢は泥棒から成り立っているのである。税金とはそのようなものだ。
かれの財産やそれに拠って立つ振る舞いや教養は、支配している者からの収奪で保障されているのを、忘れるな。
1、
「女性原理を奉じる宗派は12世紀の南プロバンスで栄えた。同時期にユダヤ教のカバラ主義者がヤハウェの失われた配偶者「まとろにっと」をユダヤ教の伝承に復権させようとしていたことからも、女性原理の復活が重要いや不可欠だと考えられていたことが分かる」。
2、
「問題のこぷと語の文書は、紀元400年ごろ正統キリスト教会(皇帝ておどしうす1世によってローマ帝国の国教と宣言された)が異端と判断した宗派を迫害し、その文書を破壊し始めた時期に、「なぐ・はまでぃ」に隠された。
巻物は、ユダヤ砂漠のくむらん近郊にある死海洞窟群で発見された文書つまり死海文書が入っていたのと同様の壷に保管されていた」。
「ユダヤ人の反乱66-74年に対するローマ軍の破壊行為はイスラエルの国を事実上滅ぼし、エルサレムのキリスト教徒共同体を壊滅させたが、くむらん教団の死海文書はこれを免れた。同様に、なぐ・はまでぃ写本も初期教会による粛清を生き延びた」。
3、
死海文書の多くを著した砂漠の教団くむらん教団は、早くからエルサレム神殿の祭司たちや神殿での礼拝は、トーラーモーゼ5書や予言者の教えに対して不誠実で欺瞞的だと考えていた。
<神殿の祭儀が異教と結合され、神殿自体が不浄な存在に成り下がったと主張した。>
初期キリスト教活動の主体であったくむらん教団と、ぜろで党の反乱の最後の砦だったまさだとの結びつきを裏付ける史料は、十分そろっている。
くむらん教団は、徹底的な反ローマ、反体制の思想を掲げる終末論者で、メシアを信奉し、イスラエルの王位にダビデ王家の血筋が返り咲くことを待ち望んでいた。
くむらん共同体は、ローマ人と協力関係にあった人々と距離を置いた。2000年近くものあいだ、壷の中に隠されていた信条や教義には、新約聖書に採録された文書が語る過激な二元論や終末論に相通ずるものもあった。
くむらんと同じ写本が、まさだの要塞でも見つかった。
くむらんの信徒なら、まちがいなくキリストの狼藉、過ぎ越しの祭りで神殿で両替人の台をひっくり返した過激な行動にも拍手喝さいを送っただろう。
4、
「ユダヤ人の王、ナザレのイエス」は、略して「INRI」と十字架に掲げられた札にある。
イエスの故郷とされるガラリヤは期限世紀にはゼロデ党と反ローマ運動の温床であったと考えられる。
5、
「メロヴィング朝のメロヴィングという言葉は、簡単にmerとvinに分けられ、つまりマリアとヴァインぶどうの木、に分解できる。
メロヴィング朝のクローヴィス王の紋章は、「ふら・だ・り(いちはつ)」であった。中東諸国に自生するいちはつの花のラテン名は、グラジオラス、つまり「小さい剣」である。
フランス王家の紋章である3弁の「ふら・だ・り」は男性の象徴だ。
実はこの絵柄は、神とイスラエル、そしてダビデの家との間に結ばれたあらゆる契約に内在する「割礼」の誓約を図案化したものなのである。
トーマス・インマンは、19世紀に書かれた書物「古代異教と現代キリスト教のシンボリズム」の中で「光の花」の男性的な性質を詳細に論じている。
この男性の象徴「小さい剣」が国際的にボーイスカウトの紋章になっている。
「このシンボルはまた、三位一体の神を表している。それは、三つのものが一つにまとまっている形に基づく。
(脱線するが一般に)、3弁の「ユリ」は古来からイスラエルの象徴であった。ソロモンの宮殿の男根をかたどって作られた「やきん」と「ぼあず」という2本の青銅の柱の柱頭には「ユリの花の形」が彫られていた。(列王記7:22)
聖パトリック(ぱとりきうす)のあの有名なシャムロック(こめつぶつめくさ)は、三位一体の神の正統なシンボルかもしれないが、ふら・だ・りはイスラエルのダビデ王家の血筋を具体的に示唆しており、だからこそメロヴィング王家が紋章として使ったものと私は考える。
5、
「1099年のエルサレムの征服に伴い、十字軍の指導者たちは聖墳墓教会に総大司教をおいた。十字軍の典礼式文を見ると、奇妙なことに聖処女マリアの祝日は黒い式服で記念することになっていたことが分かる。
この黒い式服の使用は、雅歌に準拠していると言われているが、これは聖処女マリアを記念する祝日の典礼には必ず白い式服を着るという、教会の一般的な慣習から著しく逸脱した行為である。
黒いマリアは、雅歌の黒い花嫁の姿を、詩的な形で模倣しているのだろう。
古代世界の「妹=花嫁」のイメージは、油を注がれた者イエス・キリストの妻を容易に連想させる。大地、月、愛の女神(イシス、えふぇそのアルテミスなど)をかたどった作品は伝統的に黒いのが特徴である。
ダビデ王家の男性の象徴は花か芽をつけた杖であるが、女性の象徴はカリス(杯か器)だ。それが、ホーリー・グレイル(聖杯)だった。
6、
本書で検証しているもうひとつのキリスト教伝承は、公認の教会では教えられていないが、正統版より真実に近いかもしれない。
初期のキリスト教宗派の多くはもう残っていない。
イエスの弟ヤコブが初代指導者となったエルサレム教会は、ユダヤ教の教えを重視し、イエスを神と同一視しなかった。
エルサレムのキリスト教徒共同体は、神殿とユダヤ教のトーラーに固執した。
ヤコブとペテロは、パウロの説く教義に困惑を隠せなかった。証拠は使徒言行録にも見出される。
初期教会は、数々のキリスト論を展開し、宗派間の激しい争いは何世紀も続いた。
紀元66-74年のユダヤ人反乱を受けて、エルサレムのキリスト教徒共同体が解散に追い込まれてからは、唯一の正統な信仰と言えるような権威あるキリスト教教義は存在しなくなってしまった。
結局、一部の宗派はキリスト教世界から追放され、残りは妥協してとどまった。
ヤコブとペトロの率いる初期教徒共同体に近い立場を受け継いだ「えびおん派」は、ナザレのイエスの神性を否定したという理由で、後に異端の烙印を押された」。
教会の最初の4世紀は、混乱と迫害、非正統説の解釈で明け暮れた。
にけあ宗教会議紀元325年は、イエスが神の御ひとり子、光から生まれた光、真の神から生まれた真の神、父なる神とともにある者」であると宣言した。こえが、教会での正統的信条となり、逸脱は一切許されなくなかった。
この信条を掲げた伝道師たちは、ヨーロッパの辺鄙な地域に住む未開の部族たちの改宗に着手した。
そして、紀元380年、キリスト教がローマ帝国の国教として布告された。ておどしうす皇帝。
7、
4世紀から10世紀、ヨーロッパにはフランク族、西ゴート族、ケルト族、フン族、古代スカンジナビア人という蛮族が襲来した。
西ヨーロッパの蛮族の大半は、当初異端アリウス派に改宗した。
この派は、4世紀に活躍したアレクサンドリア出身の聖職者アリウスが体系化した一派。
この派は、三位一体とイエスの神格化を否定し、神と人間のイエスは異なると説いた。この教義は5,6世紀に受け入れられた。
8、
ヨーロッパの暗黒時代が明けたのは、なにも15世紀のルネサンスではなくて、もっと早く、12世紀の南フランスでのいくつかの出来事によっている。
それは、プロバンスの文化の発展である。十字軍の遠征以前から、ここでは科学や哲学に寛容で、イスラムやユダヤの宗教、美術、文学へ興味を示した。
最大の変化は、女性に対する評価の見直しと高まりだ。
それまで、創世記に記されたように、女性は男に劣り、隔離し悪魔的存在とみなされた。二元論から女性は諸悪の根源のごとく扱われた。
この女性蔑視論は、聖あうぐすてぃぬすの見解から来ており、それは異端のマニ教(紀元277年に没したマニを開祖とする)の思想を反映している。
あうぐすてぅぬすは、もともとマニ教の信者であり、人間は肉体という牢獄に清き魂を閉じ込めた半神半人であったという思想、つまり二元論世界観と女性不信の影を引きずりながら、カトリックの教義を説いた。
9、
プロバンスは、十字軍以前にも数百年にもわたって、スペインや北アフリカを支配するムーア人やユダヤ人の学術中心地と進歩的な関係を維持していた。
プロバンスの大部分は、めろヴぃんぐ家出身のユダヤ人王子「ぎょーむ・ど・じぇろーん」が統治していた8世紀のユダヤ人公国「せぷてぃマニア」の領地だった。
そして、この地は、マグダラのマリア崇拝の中心地であり、マリアは地域の庭園やブドウ畑の守護聖人、豊穣と美と人生の喜びの仲介者である。
薔薇(エロスerosのアナグラムrose)崇拝が盛んなのも偶然ではない。
10、
初期十字軍の時代に、絶大な実力を誇った騎士修道会テンプル騎士団は、エルサレム奪還後に1110年代に設立、教王と王侯の恩寵をほしいままにした。
1310年に異端の烙印を押され廃絶された。
テンプル騎士団のメンバーの多くは、プロバンス地方の貴族出身で、ローマの公認教義とは距離をおいてきた。
テンプル騎士団は、イエスの妻帯、旧約聖書の救い主の約束がイエスの跡継ぎによって成就されると信じていた。
このプロバンス地方は、12世紀のあいだ、もうひとつの福音、ありうす派やカタリ派m、うぉるどー派という異端の全盛だった。
11、
カタリ派の「純潔の人びと」と言われる巡回伝道師の説教に、素朴な農夫たちは影響を受けた。
人生を質素と謙虚の精神によって生きることを勧めた。くれだんと(プロバンス方言で信者)として知られるカタリ派。
この派は、正統のキリスト教の教義より古く純正なもので、イエスと使徒たちの教えに近いと信じていた。
彼らは、菜食主義であり、平和主義者、初期教会のカリスマ的キリスト教に近い形態を実践していた。(使徒言行録)
古く純粋なルーツは、異端審問の検閲をかいくぐって残った数少ない記録が、証明している。そこには、黎明期の原始キリスト教の活気が反映されている。
具体的に、1世紀のキリスト教の慣習である。そこには、終末的二元論によって、霊的生活を重視し肉体的な婚姻には関心を払わなかった。なぜなら、時代が終わりを告げようとしているのに結婚など意味がないと思ったからだ。
だから、正式な結婚式を拒んだかもしれないが、結婚や受胎を非難して家族制度を揺るがせようとした、という異端審問の嫌疑は、誇張されたものである。
この貴族リストが残っている。
12、
かたり派は、女性を平等に扱った。
カタリ派は、清貧で簡素な生活、貧しい者たちと食べ物を分かちあった。
聖ドミニコとアッシジの聖フランシスコは、このカタリ派の伝道に感銘を受け、托鉢修道会を設立し、貧困のなかで慈善を行いながら生きる誓いを立てた。
そして、その方言で識字教育を始めた。
1209年、バチカンは南フランス全域に対し聖戦を始めた。フランス国王と教皇の軍隊は、約30年間南フランスを蹂躙した。
カタリ派の神学校のあったもんせぎゅーるの虐殺で、勝利を決定的にした。
1244年、もんせぎゅーのカタリ派の居留地は打ち破られ、200人を超える人々が火あぶりになった。これは、あるびじょあ十字軍と呼ばれた。
1233年に正式に組織化された異端審問所は、何千もの人々を処刑した。
ぷらばんす全体が、ローマ・カトリック教会の覇権に抵抗していたから、kじょれは行われた。
マグダラのマリアの伝承や地名、貴族の秘められた血統、が、公認された教会に幻滅を抱いていた。からくも生き延びた南フランスの貴族一門の娘たちは、北部の家系と強制的に結婚させられた。
13、
12世紀、13世紀の吟遊詩人は、崇拝する貴婦人を「どんぷな」と呼んでいた。
ラテン語でドミナ(ドミヌス神の女性形)のランドック方言。
詩人たちは実はかたり派で、貴婦人はこの宗派の教えそのもの、「アモール愛の教会」を意味していた。
どに・ど・るーじゅもんの著作。ぺいーる・ヴぃだるという吟遊詩人。
14、
テンプル騎士団は、数学と工学の知識でゴシック様式の建築を誕生させた。
1130年から1250年という短い年月の間に、瞬く間にヨーロッパ中に広まった。あたかもそう決められていたかのように。
ゴシック大聖堂を建造したギルドや石工の技術の発展は、テンプル騎士団と強く結合していたと思われる。
騎士団は、聖堂の計画と資金の提供を担当し、それを受けてギルドは結成され、設計を具体化した。
石工は、自らの信仰する教義をそこに組み込んだ。(これへん。騎士団が指揮者ならそっちの思想だろう。むしろ、石工は騎士団と一体の宗教共同体とみるべき)。
最も重要な教義は、男女のエネルギーの調和という普遍原理だった。
石工たちは、自分たちを「ソロモンの子たち」と呼んでいた。これは、ユダヤ教を奉じるエルサレム神殿を最初に建てたダビデ王の息子を示唆している。
また、別の意味もある。「ソロモンは知恵を花嫁にしたい」と伝えられている。(知恵の書8:2)
ゴシック建築の手の込んだ名人芸のコピーは、異端審問所のあるびじょあ十字軍の撲滅作戦の後も、どんどん作られていったが、神の息吹は1250年以後姿を消した。(神の息吹の意味不明)。
なぜなら、この年は、カタリ派の要塞の壊滅した年である。
これ以降、異端弾圧によって、かつて盛んだった医学、錬金術、天文学、神秘主義、心理学などの学問はオカルトと断じられ、地下に潜った。
15、
2本の柱とフリーメーソン。
ソロモン神殿を建てた棟梁は、ひらむ。「やもめの子」だった。
神殿の2本の青銅の柱は、右を「やきん」確立されたという意味。左は「ぼあず」力という意味。ヘブライ語は右から読み、この確立された力、という意味になる。
これが2柱の象徴性である。そして、イエス未亡人とダビデ王の血筋を示すブドウの木の議論に重要な意味を持ってくる。
このモチーフは、異端の透かし模様にも使用されている。
ギリシャ語の新約聖書には、イエスを「てくとん」と呼んでいる。これは、ギリシャ語では大工ではなく、建築技師のこと。
16、
中世の聖母を祀る大聖堂の建築ラッシュは、13世紀のスペインでユダヤの神秘主義者がヤハウェの連れ合い「しぇきな」(しかいな)「まとろにっと」を復活させようとした、試みと同じだ。
この夫婦の別離は、エルサレムの神殿が破壊されてのこと。だから、上記の運動は、「天に行われるごとく、地にもおこなわれんことを」という深遠な原理を適用したものだ。
17、
ユダヤ教の伝承。
王はその連れ合いなしに無能である。これは、聖杯伝説と重なる意味がある。
ぺるすヴぁるの伝説(ヴぉるふらむ・ふぉん・えっちぇんばっは著)の漁夫王あんどるたすの正体は、ダビデ家出身の魚の王イエスのことである。
聖杯は、失われ勘当された?花嫁を指している。
18、
●隠された聖杯教会のシンボル。
ハロルド・ベイリー著「象徴主義の失われた言葉」1912年。
哲学や神話学の知識を駆使し、プロヴァンスで興った初期の製紙業者が考案した模様ウォーター・マークのシンボルや図案の説明を試みる上下2巻の本。
異端あるび派も象徴的な文様を入れた用紙を製造し、大衆文学を印刷する際に使用していた。
1、一角獣。原型的な花婿キリストを意味する。
2、獅子。神秘主義と異端信奉者は、これは「ユダの獅子」と理解していた。
獅子は、創世記に登場する。ユダは獅子の子。創世記49:8-10.
歴代誌。
黙示録には、不滅の神の右手に座った子羊こそ「ユダ族から出た獅子」だと書かれている。イエスのことである。
3、ざくろ。ぶどう。
肉体の繁殖の象徴。
旧約聖書、イスラエルの民をさす比喩。イザヤ書5:7.
「イスラエルの家は万軍の主のぶどう畑、主が楽しんで植えられたのはユダの人々」。
4、
「ふら・だ・り」(いちはつ)。ししの頭から覗かせている。
3弁の花は、正当なフランス王家の血筋を示すシンボル。
だから、獅子はイスラエルを、ふらだりは、フランスを、両家の血筋を示唆している可能性が高い。
5、器。ベイリー。聖杯。
ブドウやふらだりの蕾を覗かせている。MMの文字が入っているのは、マリア・まぐだれな、か、マリア・まいおーる(偉大なるマリア)。
MRは、マリア・れじな。女王マリア。
このシンボルは、イスラエルとユダ族の血筋を存続させる器を示している。
ICの2文字は、イエス・キリスト(iesu christ)。
6、熊。眠っていた熊が目覚めて戻って来る。民間伝承のめろヴぃんぐ家と結び付けられている。
7、光の十字。「lux」の文字。6光芒の十字の図像。
ラテン語の光を意味するルクスLuxをギリシャ文字で綴れば、^vxとなり、Xに置き換えれる。
Xは霊的な啓示を受けた者たちのひたいに付けるべき印がXだった。(えぜきえる書9:4)
くむらん教団では、秘儀伝授者に授けられる印。
この慣習は、キリスト教にも取り入れられた。
7、ラッパや角笛。
「ろーらんの歌」。フランスの英雄。岩をひと吹きで打ち砕く。
また伝承では、砂漠に花を咲かせる力がある。
8、ロレーヌの十字架。
めろヴぃんぐ朝の子孫は、イエスまでたどれる血筋という意味で、「ぶどうの木」と呼んでいた。
はぷすぶるぐ家はロレーヌ家と婚姻によって同盟を結んだ。
ロレーヌ家は、1099年にサラセン人を打ち破って一時期エルサレムを統治した。
異端派は、千年王国の希望を失わなかった。
ロレーヌの十字架には、横木が1本多い。上の短い横木は、「INRI=ナザレのイエス、ユダヤ人の王」を書いた巻物をあらわす。マルコ福音書19:19.
このロレーヌの十字架は、何世紀にもわたってフランスで自由を要求するスローガンとして使用されている。
第2次世界大戦中、レジスタンスが破壊活動の同胞を招集するのに使っていた。
このシンボルは、図案が解体され、フリーメーソンの会員証の、横に二つのXXが並ぶシンボルとなった。これは、異端的聖杯信仰とフリーメーソンとのつながりを示すものである。
9,剣と杯。
「avm」を組み合わせた図像文字合体「^v」は「アヴェ・みれにうむ」千年王国に幸いあれ」「ミクニが来たらんことを」だろう。
内側にあるmはマリアを示す。正統派はアヴェマリア処女マリアだと捉えたが、だが、この合体文字は^とvが調和し結合したときにしか先年王国の約束が成就されないことを示唆している。
^は原始的な男性の象徴であり、剣を表す。vは相対する存在、女性の原始的象徴である。
フリーメーソンの紋章のvのさかさまvとの合体、つまりコンパスと直角定規の紋章も、上記の男女シンボルの合体を再現したものである。
^とvが組み合わされてmができる。mからはふらだり、が顔を出した形でよく登場する。複数のmがあしらわれて塔と城がこれまた登場する。
これは、マグダルのm、つまり娘シオンの塔、あるいは砦を示唆しているのかもしれない。(ミカ書4:8-9)
またmがもった王冠の図柄には、よく見ると「ジェスgesu」フランス語のgと、角笛が描かれている。フリーメーソンのコンパス直角定規の紋章にも中央にgの文字がある。ジェスはイエスのことである。
ただ、今ではgはgeometory幾何学を示していると考えられている。
別の図案には、イエスキリストのICとともに、LUXの十字と王家の血筋を表すふらだりが描かれている。
mはラテン語でまーれmare海の波、マグダラのマリア、ヘブライ語のミリアム(マリア)は塩の海、あるいは海の夫人という意味。波の意味は、姿が溶けてなくなること。
mmまぐだらのマリアは、波を形づくると同様に、みずがめ座と結びついているのではないか。この星座は、形の溶解を象徴していると考えられている。
19、
異端派とユダヤ教の相違は、中世の前者がイザヤが予言した「正しい支配者」はダビデとイエスの家系から出現すると信じていた点だ。彼らは、「マリアのぶどうの木」つまりめろヴぃんぐ家から出るだろうと思っていた。
20、
錬金術の正体とは、化学と冶金学を応用して鉛を金に変えることではなく、これは隠れ蓑に考案されたものだ。
ゴシック聖堂の窓に使われた色ガラスは、十字軍に間に合うように中東で生まれ、一部の錬金術では金属の融合によって得られる色に言及している。これが、ガラス製造の説明であったとしても不思議ではない。
錬金術師の本当の意図は、「生まれたままの」霊的な啓蒙された存在に人間がなる、という「変容」に関することである。霊的存在は金と呼ばれていたのである。
人間も、金が火の中で試されるように、人生の試練のなかで浄化され、その導き手は、聖書と秘教的儀式であった。この啓示を媒介するのが、精霊である。
秘儀は、愛と啓示こそが完成された状態に導くと説いたために、異端と判断された。だから、錬金術師は冶金学のシンボルの中にその教義を隠した。
ソロモンの神殿を建てたやもめの子てぃるすの王ひらむは、金属を扱う職人だった。古代では、金属と合金の性質の知識は、王家秘伝の特権で、富と力の代名詞だったのである。
21、
中世の錬金術師とフリーメーソンの結びつきを示す手がかりは、「ひらむ」という名前。
「x」つまり「四辻」の守護神であったギリシャ神話の「ヘルメス」(ローマではめるくりうす)、エジプトではととに相当)と、ひらむとは、同一の語源をもつ。
この両局性の神?は、足に翼をつけ、かどぅけうす(使者の杖、神々の使者の象徴)を持った姿で描かれ、頻繁に姿を変える。
「へるめす」は「トリックスター」であり、ジョーカーである。
なぜなら、「意味のある偶然の一致」が一瞬のうちに啓示をもたらす「共時性」の原則を支配しているからである。
ヘルメスは精神と物質の橋渡しの役割をしているようにみえる。
錬金術師は、この原則(共時性?)を「変容の媒体」と理解し、ヘルメスを啓示をもたらす者として崇拝していた。
薔薇十字団の始祖伝説には、アレキサンドリアの錬金術師の物語も入っている。三本の槍。この教えに従う入信者は、一般的にヘルメス主義者として知られる。
22、タロットカード。
タロットカードの起源は、インドともエジプトとも言われるが確定していない。
1392年にすでにタロットカードが存在していた。
15世紀の画家アンドレア・マンテーニャによって作られたのが、最古のカードと考えられている。
14枚の数字カードを4組つまり56枚、そして22枚の絵札からなるタロットカードは、確かに異端の聖杯信仰に共通するシンボルが使われている。
特に、シャルル6世の委嘱で作られた「ぐらんごぬーる」のカードは。
カトリック教会は、このカードを異端的として糾弾した。
6世版のカードの絵札は、中世異端的聖杯信仰のフラッシュカード式、教義問答書を構成していたと考える。
このうち6枚は失われている、というより抹殺されたのだろう。
聖杯信仰は南フランスに端を発しヨーロッパ全土の宮廷から宮廷へ広まった。プロバンスでは、聖杯とカタリ派のふたつが共存していた。
1244年のかたり派の壊滅後、異端信仰は地下にもぐり、一部は表向き体制の教会教義を実践するようになった。
「ぶどうの木」の異端信仰は根絶やしにされたかに見えたが、1307年になっても、テンプル騎士団の秘儀の中に脈々と息づいていた。
●タロットカードの様式。
4種類の項目スート・カード(小アルカナ)は、剣、杯、5芒星(金貨)、王笏(杖)。
大アカルナと呼ばれる絵札トランプによって構成されている。
トランプに残った唯一のタロットのカードは、「愚者」。コリント人への手紙。「わたしたちは、キリストのために愚かな者となって、、、」。
シンボリズムから考えて、タロットの出自は異端あるびじょあ派の聖杯信仰に違いない。
吟遊詩人とともに移動していたジプシーや芸人一座は、一行に加わりオカルトの教義を教えていた同派の説教しからカードのことを知ったと考えられる。
だから、5月にさんと・まいー・ど・ら・メールの通りに集まっている。
*古フランス語で「とろんぷ」はラッパを意味する。紙の透かし模様にも登場するあのラッパだ。
原初のタロットカードの絵札の一部こそが、隠された聖杯教会の教義を歴史を説明していた。
絵札の隠された異端の教義のシンボリズムが残っているのは、シャルル6世版を初めとする初期のものだけだ。
23、タロットの絵柄の意味。
●「愚者」秘儀を授かるには、正しい質問をしなければならない。愚者は「探求者」の意味である。
●「ジョーカー」彼は秘密を知っている。ヘルメス主義の伝承を説く教師である。
●「皇帝」
●「教皇」。異端教会の地位と身分の女性は、イエスの子孫と言われていた。「ぶどうの木」イザヤ書7:5.
シオンという秘密結社。このトップは、総長と(くそ!こんな訳があるか)呼ばれ、女性の場合は「ジャンヌ!」男性はジャンと呼ばれた。
(ジャンヌ・ダルク!!)
隠された「愛(あもーる)の教会」は、ローマ教会と対立していた。
教王は赤い法衣を着た2人の枢機卿にはさまれ、鍵を持っている。この鍵は「王国の鍵」を連想させる。
●「恋人たち」。上に描かれた2人のキューピットは腹に「x」を形づくっている。中央の女性は、mの文字をした髪飾りをつけている。
●「隠者」。これは隠者ピエールだ。この男が、11世紀末に十字軍の意義を説いた。大きな岩はこの解釈を裏付けている。ピエールという名前は、ピエールつまりペトロ、岩を意味している。
●「力」。徳を示す抽象概念は女性名詞で表現され、ここでは、折れた柱を女性が抱えている。
柱の柱頭は「ゆりの花の形」のソロモンの宮殿の左の柱を象徴している。旧約聖書では、ぼあず力という名前の柱は、ユダヤの獅子ろダビデ王家の継承者に結び付けられている。
ダビデ王の曽祖父がぼあず、だった。
ユダ族の血統は、ぼあず、おべど、えっさい、ダビデ、ソロモン。その千年後がイエス。ほんまかいな。
だから、シャルル版の意図は、血脈が断たれたことを意味する。
女性がつけている衣類は、2頭の獅子の形。女性の傍らには3頭目の獅子がいる。
●「戦車」。シャルル版は、男は戦車を操っていない。エルサレムから持ち帰られた「戦利品」に、cicの三つのイニシャルがあり、男はiの上に足を乗せている。この「i」は、イエスだ。
フリーメーソンの儀礼では、「短期逗留者たち」がエルサレムから秘密の分文書を発掘したことを示唆している。
●「運命の輪」。シャルル版にはすでにない。
これは、テンプル騎士修道会の運命の変化を指している。
あヴぃにょんの崩壊、10月13日の金曜日にテンプル騎士団の逮捕という勅令が発布された。
●「正義」女性の徳。正義の秤と両刃の剣を持っている。
●「吊るされた男」。拷問を受けるテンプル騎士団か。もっとも不可解な絵。
足は文学美術では昔から生殖器の隠喩。同時に不具になった聖杯王アンフォルタ巣を巧妙に示唆している。
握られた金袋は神殿の伝説的な宝物を象徴する。異端審問の拷問にも騎士団の指導者は秘宝のありかを白状しなかった。それは、金でできたものではなかったかもしれない。心の中のイエスの血筋のことかもしれない。
●「死」。馬にまたがった死神に踏みつけられているのは、教王、赤い法衣の枢機卿。騎士団の首領ジャック・ど・モレーは、火あぶりになる前に予言していた。そして、1年もしないうちにそのとおりになった。
●「賢明」。器から器への水の移動。徳を表す女性。これは、息たえんとする教義を安全のために別の器に移した、という意味。水は、霊と真実「ただひとつの真実の信仰」を象徴している。
●「悪魔」。鬼で、これは中世の「あばずれ者」。異端審問所を視覚化したもの。しかし、奴隷になっているのは異端はではなく、正統派の信徒のほうだ。
●「塔」。後世の一部の版では、「神の家」。破壊される塔が描かれる。流浪の娘シオンの「砦」・マグダル・エデルを思い出させる。
●「星」。抹殺されたカード。また、後世の一部では、「二つの花瓶を地面にあける姿」。先例の「賢明」と対、霊と真実が将来復活するという希望をあらわす。
「星」は占星術の水瓶座、来るべき時代を指しているのかも。
●「月」。オカルトでも女神信仰でも重要なシンボル。コンパスと直角定規のふたり。あべ・みれにあむの表意文字。
星や宇宙の吉兆と適合されるための教会大聖堂の天球図を構築しているのかも。占星術とは、人の作ったものを天空の惑星や星座の規則正しい動きに、つまり宇宙の秩序と調和させる試み。これは、古代の知恵学派によって実践された神聖幾何学の役割、この秘儀的学問は異端審問によって地下にもぐった。
●「太陽」。日光にたたずむ乙女。髪はゆわえず、垂らして、継続の象徴の「糸」を手に。この乙女は、毒の仕込まれた糸車で指を刺した、呪いの眠りに落ちた「いばら姫」である。
「星」「月」と合わせて、教義と真実を運ぶ二つの流れが出来ていたが、月は、秘儀を闇にまぎれて教義を運ぶ。もうひとつの民間伝承は、白日の下に、秘密を運ぶ。
だから、この「太陽」は、これらの情報から真実を探すよう、探索者に促している。
当時、母親は子供に対し検閲を受けることなく、「失われた王女の物語」をすることが可能だった。<隠さないでおおぴらにしておくことこそ、何より安全な隠し方でもある>という場合もある、ということ。
●「審判の日」。天使ふたりのラッパ。起き上がる墓から出る人々。これは最後の審判ではない。
眠りについている者、起きよ、(えふぇそ人への手紙)。これは「新しい日」の先触れなのだ。
●世界」。球に乗った女性。王冠、宝珠、王笏。完全性をあらわす神秘的な円に囲まれた地球。
23、
タロットの項目スーは、
スペードは「男が持つ剣」。
ハートは、本来「杯」。これは聖杯と「愛あもーるの教会」を象徴。
ダイヤは、五芒星を意味する「ぺんたくる」という名前。愛の女神ビーナスにとてっても神聖なシンボル。ビーナスの名を冠した惑星金星の軌道が、8年おきに太陽に対し完全な「五芒星」を形づくる。5つの峰は、天然の神殿を表しているのではないか。
クラブは、「花を咲かせた棒か杖」。あるいは笏か。いざや書、「えっさいの株からひとつの芽が萌え出る」。メシアにまつわる約束。
四海文書の戦争の巻物「笏」はだびで家出身のメシアを指す。
今日のトランプの「三叉の棍棒」はイスラエル王の血筋と神からさずかった施政権、を示唆。
4つの項目スート、意図的な明確な異端の聖杯のシンボルだった。
*日々心の糧としていた神の言葉に直接触れられるようにと、日常語に翻訳するこのに情熱を注いだ。ヘブライ語もギリシャ語にも造詣が深かった。あるびじょあ派。
この情熱こそ、あるびじょあ派が西洋文明に残してくれた最も重要な贈り物。福音の広まることで、自由・正義・平等の種を蒔いた。これが18世紀の民主化へのうねりにつながった。
24、
[もう一つの教会(非正統的教会)」の2大教義は、ダビデ王家の復権と、神との調和に生きる世界、つまり千年王国の約束であった。
精霊による啓示と個人の変容を説いていたのである。
異端宗派は教義を信じていただけでなく、一人の人間として神と触れ合う生活を送っていた。
多くの芸術家や秘教信奉者は異端宗派と手を組み、教会に対抗した。この同盟関係の中で誰もが同じ秘密を共有することになった。
女性を否定し抑圧したために社会からはエクスタシーや自由が奪われ、その結果捩れや歪みが生じたことを人々は理解したのである。
国境をも越えたネットワークで互いに結びついた文化人たちが力をひとつに合わせ、忘れ去られた「女性」を蘇生させようと試みた」。
25、ぼっちちぇりの絵画。
ぼっちちぇりは、1483年ごろには正統派絵画と違った不可解な作風に変化した。
最近、1483年から1510年に亡くなるまで「シオン修道会」の総長を務めていたのではないか、との説が浮上した。
ぼっちちぇりの絵画には、こあのヘルメス的秘教のシンボル「x」がたびたび登場する。「書物の聖母」ドレスの胸の上の「身ごろ」に赤いx。幼子キリストは3本の小さな黄金の槍。これは、十字架で打ち込まれる釘を暗示しているのではないか。
中世の錬金術師や薔薇十字団のモチーフ、啓示の3本の光線を示したものか。
「ざくろの聖母」。左端の天使が両肩から赤いリボンをたすきのように斜めにかけている。これもx。そして、この天使だけが、鑑賞者の方に視線を向けている。その意味を胸の赤い十字を注意を喚起するかのように。
「まにふぃかとの聖母」のざくろ。ざくろは、物理的性的な繁殖力を示している。これは、イエスの身体的繁殖力を意味した可能性が高い。
「十字架の下のマリア・まぐだれな」。狐を逆さづりにする天使、と十字架を抱くマリア。
ぐのーしす主義では、狐は信仰を強める方便の嘘を象徴している。
赤いxの盾をもって天使が空から舞い降りる。
狐が正統派のイエスが独身であったと言って、血筋の正当性を否定して、「ぶどう畑」を荒らしている。雅歌2:15」。
26、「フラ・あんじぇりこの絵画」。
フィレンツェ、ごみにこ修道会。聖母子像。マリアは「赤と白」の2本の薔薇を持っている。赤と白は「妹=花嫁」の色。赤は情熱、白は清らかさ。
錬金術師では、赤と白は相反する要素の結合、の象徴だった。
1466年、ピエロ・でら・フランチェスカ。マグダラのマリア。赤のマントが裏返され、白の裏地を肩に羽織られている。これは、娼婦説の否定であり、清らかさを象徴している。
異端審問は赤い衣装のマドンナに狼狽した。美術検閲官は1649年、処女マリア像をすべて「青と白」で統一するように勅令を出した。
結婚や性的側面を否定するためである。赤は、マグダラのマリアを意味していたから。赤い服の女は、売春婦の代名詞となった。
27、
「トリコロール」の起源。
有史以前、ヨーロッパ・アフリカ・中東という地中海沿岸では古代宗教の女神には、乙女(妹)、花嫁(配偶者、子供の母)、老女(醜い老婆、鬼婆)、これに対応する色は、白-赤-紺か黒。
中世の紋章学、母方の紋章は楯の左側に、父方の家系の紋章は右側に描かれた。
戦場の指揮官を識別するために、彩色した盾を使用する。サラセン人で普及していた風習を十字軍が真似した。
女性は左、男性は右というこの紋章学の概念は、心理学にも取り入れられ、左脳ベースの右利きは男性的理性的、右脳ベースの左利きは女性的、芸術的直感的。頭と心の二元論は、政治でも右の保守、左のリベラル。
28、
●「乳房を両手でつかんだ(あすたるてのポーズ)マグダラのマリアは、中東の太陽神の連れ合いの豊穣の女神のとっているポーズ。
●「左手に黒い手袋をはいたマグダラのマリア。これは母系の血統と、その息子たちが「煤のように黒くなり、街で彼らと気づく者もないほどになってしまった「やもめのシオン」を示唆している。「哀歌4:8」。
●「しゅろ」パームには掌の意味もある。
イスラエルとダビデ王家を表す重要なシンボル。
ロバに乗ったイエスが、エルサレムに入場する際、人々が棕櫚の葉を敷き詰めて歓迎した、聖書の記述に由来する。
棕櫚はギリシャ語で、「フェニックス」(滅亡からの復活人)。棕櫚鳥は復活の象徴。
●「彫刻の魚」。
占星術による「魚座」。中世のヘルメス主義者や錬金術師は、イエスを黄道12宮の「魚座」の時代の王、魚の印を戴く者、と考えていた。
「改悛するまぐだらのマリア」。どの作品にも、白のブラウスと赤いスカート。妹=花嫁、の赤と白を象徴している。
マリアは、椅子に座り、さまざまな品、頭蓋骨、ろうそく、鏡、大粒の真珠、を眺めている。その絵でもみごもの姿。
●「薔薇」。
バラのしるしの下、とは内密に行われる物事(性交)を指す。しかし、秘儀伝授者にとっては、バラこそ秘密そのもの。それは、エロス愛の神、結婚を象徴するマリアの赤い薔薇だった。
エロスはバラのアナグラム(入れ替え?)。
薔薇十字は、真の啓発を示す赤い「x」ルクス、つまり「光」の象徴だった。
29、
一角獣のタペストリー。
一角獣は、花婿=王の男らしさのシンボル。受胎能力と性能力。どんぐりや松かさは男らしさの視覚化である。
「葉、花、果実を同時につけたオレンジの木は、両性の婚姻による結合を意味している。花嫁がつける花は、伝統的にオレンジの花であった。
30、「シンデレラ」。
煤だらけの女中シンデレラは、黒いマドンナ(聖母)のイメージを継承している。兄弟でぶどう園で働いて日焼けしたソロモン王の浅黒い花嫁を彷彿とさせる。雅歌1:6.
フランスの一部の家系がイエスとまぐだらのマリアの血筋であることを、異端の聖杯信仰が暗示している。
12ー13世紀の吟遊詩人の歓喜の歌は、おくしたにあやプロバンス地方のもともとあった女性崇拝から派生した可能性が高い。
12世紀、十字軍が帰還し、異端信仰が急激に高まった。その結果、ローマ教会は、全力をあげて聖母(our lady)すなわちドミナがイエスの母マリアと同一人物であるという認識を確立しようと試みた。
30、「サラ」。
まぐだらのマリアの身内とともに、エジプトから船に乗った黒い肌の少女サラ。
31、
黒い聖母像は、異端審問所の支配権が確立する前から祀られていたと考えられる。
32、おとぎ話「らぷんつぇる」。
豊かな長い髪と美しい歌声。「花嫁の声」えれみや書33:11」。
イエスの足を自分の髪で拭き、ヘブライ語で塔を意味する「まぐだら」のマリアの伝承。
聖ばるばら、はシリアの異教徒の娘として生まれた。処女殉教者。改宗しようとした娘を父親が塔に幽閉した。三つ編みにした髪を伝って教義を伝えようとした司祭が塔の中に入った。
「ばるばら」は、外国人を意味し、バーバリアン異邦人、バーバーはあごひげがるbeardedという意味。
ばーばりあん、は古代ギリシャ時代には「ギリシャ語を話さない人」を意味した。
だから、シンデレラは「ばるばれら」と呼ばれ、名も知れない亡命中の王女だったのである。しかも当人がそう言っている。
「私は遠い国から来た王女なの。ここの人は誰も私のことを知らないわ」。
雅歌8:10.
「妹=花嫁」「わたしは城壁、私の乳房はふたつの塔」。
自分を「城壁に囲まれた町シオン」に喩えている。
黒い花嫁、そして塔と長い髪の伝承は、聖ばるばらの物語より以前に存在した。この女性は、亡命した娘シオン、マリアなのだろう。
聖ばるばらは、要塞の守護聖人である。バルバラを守護聖人とする職業は、建築家、石工、そして軍事技術者、砲兵、中世では要塞や城壁に囲まれた城を築き、防衛する人々が含まれる。
テンプル騎士団は、戦士兼建築者の騎士修道会である。今でも12月4日には聖バルバラを記念して、米軍陸軍工兵隊は世界中でダンスパーティーをしている。
だから、聖バルバラとまぐだらのマリアは関係があると言える。
33、
ケルト民族の古代伝説、「だぐだの大釜」。
この器は、女性の象徴。
古代フランスの伝説「さんぐらある」は、ウェールズの吟遊詩人の伝承である「ぶらんの大釜」(祝福されたぶらんの大釜で死んだ人間を煮ると、生き返らせることができる)と、すぐ混同された。
タロットカードは、あるびじょあ派の教義問答書から秘教的シンボリズムの貯蔵所に変わっていった。
34、
吟遊詩人や学者が刹那主義の「きょうを楽しめ」という「エロス性愛と婚姻」のメッセージを各地に運び、そこから女性崇拝や平等友愛の精神という種子を蒔いた。
これが教会の専制の呪縛を打破する後の宗教改革を誘発した。(そこまで言うか?)
それは、プロテスタントがキリスト教の禁欲主義を否定した。
また、ユダヤ教の聖典の伝える「小さきもの」に伝統的に気を配ってきた左翼への理解の中にも息づいている。正統派教会は、女性崇拝を捻じ曲げ、処女マリア崇拝に取り替えてしまった。だから、花嫁に対する扱いは無効化された。
ヒエラルヒーが唯一受け入れることができる、キリストの花嫁は、教会の小宇宙、個人の霊魂だけだった。
だから、中世後期の神秘主義者たちは、その教義の中に、情熱的言葉遣いや、婚姻の比喩的表現の「園」を取り入れた。
35、
「西欧社会に破滅的影響を与えたのは、男性のみによって構成される三位一体、△の頂点に父なる神がいるとする不均衡な基本制度だった」。
女性が男性より劣った存在とみなされるので、欲求不満に陥った男性は虚脱状態に襲われる。
「いつも輝いている太陽の下には、砂漠がある」ゴスペル「it takes a little rain」。
世界最古の曼荼羅は、男性の「つるぎ」と女性の「杯」に基づく概念である。(ほんとかよ)
36、
時代の星座は、魚座から水瓶座に移ろうとしている。
水瓶座のシンボルは、2本の平行した波線「~」である。
これは、形あるものの溶解を意味する。名前のイメージとは違って、水を象徴しているわけではない。占星術師は水瓶座を「空相宮」という。
37、
イエスは「げっせまね」の園で捕らえられ、アントニオ要塞に連行されて拷問を受け、茨の冠をかぶせられた。
イエスが鞭打たれたとされる大広間の敷石には、聖婚の図案とともに、その上で翼を広げて静止する<鳩の姿>が彫りこまれている。
(なんで鳩か、はっきりしろ!)
古代、女神あふろてぃて、ビーナス、イシス、ソフィアにとって鳩は神聖な生き物。福音書には、イエスがヨハネからヨルダン川で洗礼を受けていると、天がイエスに向かって開き、鳩がイエスの上に舞い降りて来た。
福音書の意味は、イエスが聖なるソフィアの生まれ変わり、もしくは「その子」を示唆する意図があったのではないか。
38、
1世紀、ローマ帝国の知恵学派の秘儀伝授者が、プラトン的概念、古代神話の「死と再生の神」がキリスト教に継承されている。
つまりロゴスの受肉、「神の子誕生」のキリスト教の教義である。
初期キリスト教の信徒は、イエスを「義の太陽」「この世の光」と記している。
イエスを「くりすとすchristos」メシア=油を注がれた者、「きゅりおすkyrios」主と名づけ、新しき台頭してきた魚座と、奇跡のユダヤ人の教えとを結びつけることに成功した。
これは、ユダヤとギリシャの融合である。
その原因として、イスラエルのある地域が、アレクサンダー大王によって300年間ギリシャの支配下にあり、属領となっていたからである。
ユダヤ人の思考や文化がまったく影響を受けないと考えることは不合理だろう。
イスラエルのへふふつぃばーにある6世紀のユダヤ教礼拝堂しなごーぐには、「べいと・アルファ・しなごーぐ」には、床に黄道12宮図のモザイクがある。中性ヨーロッパ美術で盛んに使われたシンボルである。
39、
まぐだらのマリアを描いた絵画では、ほとんど彼女の髪は波のような平行に並ぶ波のような形で背中に落ちている
不思議なことに、シャルトル大聖堂のまぐだらのマリアのステンドグラスは、「水の運び手」を名乗る人々によって寄贈されている。そして、このグラスがあるのは、黒いマドンナの礼拝堂である。
この「水の運び手」water carriers、水がめ座という意味もある。
黙示録によれば、小羊の結婚によて、砂漠にもようやく水が出るようになった。
シャルトル大聖堂には、見事な薔薇窓があり、そのひとつには聖母のひざに乗った幼子イエスが祖先たちに囲まれている。ダビデの正統な後継ぎであるイエスを強調しているのである。
40、
プロバンスの透かし模様に登場する人魚は手鏡を手にしている。なぜ手鏡か。
それは、霊性の片割れであり、女性に具現化された物質的宇宙つまり「鏡に映った神性像」だというのである。
海が空を映すように、月が太陽を映すように。
愛の女神が鏡と結びつけられている。
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